キラリと光る赤金色の美しさが格別な銅板。いざ溶接して形にするとなると、これがなかなかのクセモノです。設計士やこだわりを持つ施主様からリクエストされることも多い銅板加工、そしてその成否を分ける溶接技術について、プロの視点から詳しく解説します。
1. 銅が持つ二面性
店舗の内装や住宅のアクセントとして、銅が放つ独特の重厚感と、年月とともに深みを増すエイジングの美しさは唯一無二です。真鍮やステンレスでは表現できない温かみのある高級感は、特に歴史ある京都の景観や、ハイエンドな店舗デザインにおいて、今改めて高く評価されています。
しかし、いざ施工となると、銅は非常に気難しい素材へと変貌します。 その最大の原因は、驚異的な熱伝導率です。
実際の数値で比較すると、その特異性が際立ちます。
- 銅が398(W/m K)に対して、鉄は90.9(W/m K)
→約4倍
- 銅が398(W/m K)に対してステンレスは16(W/m K)
→約24倍
参考URL:材質別に熱伝導率を比較すると見えてくる銅の「コスパ」
トーチを向けた瞬間、与えた熱は溶接したい一点に留まることなく、母材全体へと瞬時に拡散してしまいます。これが原因で、十分な溶け込みが得られず強度が不足したり、逆に熱をかけすぎて板が波打つような歪みが発生したりするのです。
2. 施工リスクを技術で解決
銅板加工を外注した際、銅の性質を理解していない業者に当たってしまうと、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- 強度の不安定: 表面だけが薄く繋がっている「イモ溶接」になり、現場での取り付け時や使用中に破断する。
- 意匠性の欠如: 熱による激しい変色や歪みが生じ、高級感を出すはずの銅板が安っぽく見えてしまう。
- 現場での調整不能: 歪んだ板は正確な寸法に収まらず、他の造作材との間に隙間ができる。
土肥板金工業では、これらのリスクを熱コントロールという技術的アプローチで解消しています。
3. 土肥板金の「熱コントロール」2つの柱
現場の状況や求められる精度に応じて、最適な工法を選択しています。
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予熱とTIG溶接
難易度の高い銅溶接において、予熱(よねつ)の工程を重視しています。あらかじめ母材全体を適切な温度まで温めておくことで、溶接時の熱逃げを物理的に抑制します。 しかし、温めすぎれば銅はなましの状態になり、強度が落ち、表面の色もくすんでしまいます。この適温を見極めるのは、マニュアル化できない職人の経験値です。熟練のTIG溶接技術を組み合わせることで、厚板でも芯までしっかり溶け込んだ、強固な接合を実現します。
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最新設備による超低歪みレーザー溶接
薄板の什器や、エッジをシャープに見せたい装飾パーツには、最新のレーザー溶接機を投入します。一瞬でピンポイントに熱を加えるため、周囲への熱影響を最小限に抑えることが可能です。 これにより、大型のカウンター天板などでも反りやうねりを極限まで抑え、現場での収まりを一発で決める精度を実現しています。
4. 熱コントロールによる弊社製品例
- 銅板を加工したシンク

- 銅板と真鍮を使用した灯籠

- 銅板を加工したテーブルの脚

5. 銅のバイブレーション仕上げ


上記の写真は、銅板に「バイブレーション仕上げ」を施した事例です。 銅の仕上げといえば鏡面やヘアラインが一般的ですが、ランダムな研磨模様を幾重にも重ねるこの仕上げは、光の反射を柔らかく抑え、使い込まれたアンティークのような風合いを最初から演出できます。
また実用面でも非常に優れています。
- 指紋や小傷が目立ちにくい: 飲食店やホテルのカウンターなど、不特定多数が触れる場所に最適です。
- 高いメンテナンス性: 鏡面仕上げのように、常に磨き上げる必要がなく、経年変化を美しく見せることができます。
5. 超抗菌性能という付加価値
今改めて注目されているのが銅の抗菌・抗ウイルス性能です。
銅イオンには、表面に付着した細菌やウイルスを短時間で不活性化させる強い作用があります。
参考URL:銅の超抗菌パワーをもたらす、「銅の細菌標的分子」とは?
最後に:困ったときはまずお問い合わせください!
難易度の高い銅板加工や溶接でお困りの際は、ぜひ京都の土肥板金工業へご相談ください。
お問い合わせフォームやInstagramのDMからもお問い合わせがいただけます。
お急ぎの方は(075-502-4611)までお気軽にお問い合わせください。
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