デザイナーが今、ステンレスの仕上げに「カラークリアコート」を選ぶ理由
「金属の重厚な質感は残したい。でも、シルバー(地の色)では空間のトーンに合わない……」
内装什器や建築金物のデザインにおいて、「色と質感のジレンマ」が発生します。
一般的な塗装(塗り潰し)を選べば、せっかくのステンレスがプラスチックのような表情になってしまうからです。
今、感度の高いデザイナーの方々に選ばれているのが「カラークリア仕上げ」。 今回は、金属のプロの視点から、カラークリアコート仕上げがなぜ店舗デザインの格を上げるのか、その理由を紐解きます。
1. 「透ける」からこそ生まれる、圧倒的な高級感
カラークリアコート仕上げの最大の魅力は、一言で言えば「下地が透けて見えること」にあります。
ステンレスの表面に施されたヘアライン(髪の毛のような細いライン)や、バイブレーション(ランダムな研磨跡)。金属ならではの質感を隠すことなく、上から透明感のある色を焼き付けます。
- ヘアライン × ゴールド:都会的でシャープな輝き
- バイブレーション × ブロンズ:時を経たような深いアンティーク感
「色を塗る」というよりは「金属に色のついたフィルターを重ねる」ような感覚です。光が当たる角度によって変わる豊かな表情は、塗り潰しの塗装では決して出せません。
2. メッキの美しさを、より自由に低コストで
真鍮や金メッキは確かに美しいですが、コストが跳ね上がるだけでなく、製作サイズに制限が出ることもあります。
カラークリアコートは、いわば「メッキのような高級感を、ステンレスの機能性で実現する」手法です。ステンレスの堅牢さはそのままに、シャンパンゴールド、ライトブラック、コッパーなど、空間のコンセプトに合わせて絶妙な色加減を表現できます。
3.板金屋が後塗りにこだわる、現場目線の理由
色がすでについた板(カラーステンレス板)を切ったり曲げたりすると、どうしても角の塗装が剥げたり、溶接箇所の色が変色してしまいます。これでは、せっかくのデザインも台無しです。
土肥板金工業では、「製作(溶接・研磨)を全て終えてから、最後に色を乗せる」という工程を大切にしています。
- 継ぎ目のない美しさ:溶接箇所を完璧に磨き上げた後に一気に塗装するため、どこから見ても均一な仕上がりになります。
- 現場での安心:万が一、現場での搬入や施工中に傷がついても、同じ塗料でタッチアップ(補修)が可能です。リペアができる安心感は、現場を支えるデザイナーさんにとって大きなメリットになるはずです。
4. 土肥板金でのカラークリアコート仕上げ例
バイブレーション加工 × 黒カラークリアコート仕上げ
先日製作させていただいた什器では、ステンレスにバイブレーション加工を施し、その上から黒のカラークリアコートを重ねる仕上げを採用しました。
一見すると「黒い什器」ですが、近づいて見ると、ランダムに刻まれた研磨跡がうっすらと浮かび上がり、独特のマットな光沢を放ちます。ステンレスという素材とカラークリアコートの掛け合わせだからこそ実現できる「大人の黒」です。
単なる『黒塗装』では満足できない、質感にこだわるプロジェクトにおススメの組み合わせです。


ヘアライン加工 × 黒カラークリアコート仕上げ
バイブレーションのランダムな質感とは対照的に、あえて一定方向に流れる髪の毛のような細い筋(ヘアライン)を残したまま、黒のカラークリアコートを施した事例です。
この仕上げの醍醐味は、光の反射です。 照明が当たると、黒い塗装の奥から金属のラインに沿ってシャープな光の筋が走り、製品の輪郭を際立たせます。


まとめ:困ったときはまずお問い合わせください!
写真やカタログだけでは伝えきれないのが、ステンレスのカラークリアコート仕上げの奥深さです。
「この色、実際の質感はどうなの?」と思われたら、まずは私たち土肥板金工業へご相談ください。お問い合わせフォームやInstagramのDMからもお問い合わせがいただけます。
お急ぎの方は(075-502-4611)までお気軽にお問い合わせください。
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